ベンゾジアゼピン は今や
精神科だけで処方される薬ではありません。
内科や整形外科でも処方されているので
もしかしたら知らないうちに
あなたも服用しているのかもしれません。
知らないうちに飲んでしまい
依存してしまう。
それぐらい危険な薬物です。
私たちがどれほど危険なものか知っていなければ
自分も家族も大切な恋人も
気づかないうちに人格が
変わってしまうかもしれません。
大切な人を守るためにも
知識を得てください。
週刊現代のこんな記事もあります。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/50627
創作落語*ベンゾジアゼピン*
もう作った人が分からないのだが笑えた人はどうぞシェアしてね♪。
S「次の方どうぞ。」
D「お願いします。」
S「どうなさいました?」
D「あの・・・なんとなく気持ちが落ち込んでしまって・・元気が出ないんです。」
S「なるほど、いつからですか。」
D「えっと・・・一週間くらい前からです。」
S「何かきっかけのような、思い当たることはありますか?」
D「いや・・・自分ではよくわかりません。」
S「わかりました。あなたはウツ病です。」
D「ええーーーーーっ!?」
S「いえいえ、そんなに驚かれることはないですよ。」
D「そうか・・・だから息苦しい感じがしたわけだ。」
S「息苦しい・・・生きるのが苦しかったんですね?」
D「いやだって先生・・・長い間、自分は哺乳類だと思ってましたから。」
S「・・・なんです?」
D「先生、私はウツボなんでしょう?」
S「ウツ・・・いえいえ、魚の名前じゃなくて、うつ病、病気です。」
D「うつ病・・・病気ですか、私。」
S「まぁ、珍しい病気ではありません。言わば『ココロのカゼ』みたいなもんです。」
D「・・・やっぱり生暖かい感じですか?」
S「生暖かい?」
D「モロッコの風でしょう?生あったかくフワーっと吹いてくる。」
S「・・いや、モロッコじゃなくてココロです。心のカゼです。」
D「心の風・・どんな風に吹いてくるんですか。」
S「あのね、吹く風じゃなくて、ひく風邪。咳が出たり、熱が出たりする方のカゼです。」
D「ああ。そっちの。・・心が風邪、ひくんですか? 先生はその様子、見たことあるんですか? 心がマスクしたり体温計挟んだりするの。」
S「・・いえ、たとえの話ですよ。それくらい、誰がなってもおかしくない、誰もがなる可能性があるという意味です。」
D「たと・・ぇ?」
S「たとえです。」
D「イレズミ?」
S「そりゃタトゥーでしょう、わからないかなぁ、わかりやすく例えて言うと、という話ですよ。」
D「ああ、なるほどね。ところで先生、その心ってどこにあるんです?」
S「そりゃ・・・・・脳にありますね。」
D「ええっ?」
S「脳です。」
D「えっ?」
S「ノウ」
D「イエス?」
S「ノー、ノー、ノー。」
D「イエース、イエス、イエス。」
S「・・そうじゃなくて、頭の中に入っている脳、脳みその中に心があるんです。」
D「こ・・・こんなところに心がありますか。そりゃ気が付かなかったなぁ。じゃああれですね、心ってものをテーマにした歌なんかは、あれ間違ってるんでしょう?チューリップの『心の旅』って歌は、本当は『脳みその旅』なんだ。『心模様』って歌は、『脳みそ模様』じゃないといけない。」
S「い、いや、まぁ歌の話は置いておいて。」
D「いえ、置いときませんよ、私は。昔っから置いておくのは大嫌いでしたから。そう言やぁ、息子が学校から『心のノート』なんてなもの、貰ってきましたけど、あれも『脳みそノート』なんでしょう?本当は。」
S「いえ、ですからね。ちょっと脳みそから離れましょうあなた。」
D「離れましょうって、先生が言い出したんじゃないですか。」
S「わ、わかりましたよ、ですからその脳みそに効く薬を飲めば、あなたの調子は良くなりますから。」
D「あ。薬ですか、やっぱりねぇ。本当はね、これでも私、調べてきたんですよ。先生のとこみたいな病院でどんな薬が出されるのか。えーっと、あれでしょう?抗うつ剤でしょう?三角関係とか四角関係とか。」
S「ああ、それを言うなら三環系、四環系・・いえ、そのような古いタイプの薬は使いません。」
D「あ、じゃあね、えーっと、S・・SS・・・・・M、L、LL、スリーL・・ いやいや、そうじゃない、S・・・。」
S「何です?」
D「ですからねS・・SS・・・・・ナチス、ドイツ・・・」
S「SSRIですか?」
D「あ!そうそうそう早く言ってくださいよ、それを出すんでしょう?」
S「いえ、それとも違いますねぇ。あなたに飲んでもらうのはベンゾジアゼピンです。」
D「・・先生ねぇ、人をからかうもんじゃありませんよ。そんな・・なんです、その・・便所の安全ピンってのは。」
S「べんじょ…、いえいえ、これは抗不安薬といって、あなたのような人にはピッタリの薬ですよ。きっと良く効くと思いますねぇ。」
D「良く効きますか・・・。でもね、先生、そんなに良く効くってことは 反対に副作用みたいなもんがあるんじゃないですか?」
S「ああ、それはまぁ、少しありますね。」
D「やっぱりね。世の中にそう上手い話は転がってないですからねぇ。それを飲むと、夜中に両手がすうっと伸びて、先生の顔をペローンと撫でる。」
S「ちょっと、よしなさいよあなた!そ、そうじゃなくて、眠くなるということがあるんですよ。あなた、車は運転しますか?」
D「ああ、実はね先生、私免停食らっちゃってるんですよ。」
S「はぁ、スピード違反かなんかですか?」
D「いや、そうじゃないんです。うちの近くに、山本屋っていうスーパーがあるでしょ?」
S「いえ、知りません。」
D「知らない?先生、隠しちゃいけない。」
S「いや、隠しちゃいませんよ・・。その山田屋さんがどうかしましたか。」
D「いやいや先生、山田じゃなくて山本ですから。先生も忘れっぽい。その入口でね、たい焼き売ってるんですよ。・・・で、何の話でしたっけ?」
S「あなたの免停の話です。」
D「あ、そうそう、免停ですよ免停。そのたい焼きがねぇ、美味いのなんのって。でもね、そのたい焼きを買うのに、駐車場に止めて買うのはこれ、バカバカしい。」
S「どうしてです?」
D「たい焼きは一つ100円ですよ。なのにね、そのスーパーは1500円以上買わないと駐車料金がタダにならないんですよ。20分で100円取られる。100円あればもう一個たい焼きが買えるでしょう?こんな・・こんな国民をバカにした話がありますか!」
S「わかりましたよ、まぁ、落ち着いてください。」
D「ですからね、そのたい焼きを買う、ほんの少しの間だけと思って、道に車を停めておくわけですよ。そこをね、駐車違反って切符切られて。」
S「あー、なるほど。」
D「先生ね、ここだけの話ですけどね警察はね、私がたい焼き買いにくるのを知ってるんですよ。私、監視されてるでしょう?付け狙われてるでしょう?」
S「いや、そんなことはないと思いますよ。あなたとたい焼きのことを心配することより、他に警察は仕事がたくさんあるでしょうから。・・じゃあ、その駐車違反が重なって、免停になったわけですね。」
D「そうなんです・・・・あ!」
S「な、なんですかあなた、びっくりするじゃありませんか。」
D「思い出しました!」
S「何をですか?」
D「私が元気がないわけを。」
S「ほう、そうですか。」
D「たい焼きです。」
S「たい焼き・・ですか?」
D「切符を切られた時にね、買ったたい焼きを車のボンネットの上に置いたんですよ。で、そのことを忘れて車走らせちゃって、たい焼きが落っこって行方不明になっちゃった。」
S「ああ、そういうことは私にもありますよ。」
D「ええっ?先生もたい焼き、ボンネットに乗せますか!」
S「いや、たい焼きは載せませんけれど、ボンネットの上に物を置いたまま、忘れてしまうということが、私にもあると。で、元気が出ないというのは?」
D「ええ、先生私はね・・・たい焼き一匹の面倒も、親身になってみてやることができないんです。もう、自分が嫌でたまらなくなって落ち込んだんです。」
S「あの・・そうではなくて、あなたは免停になってしまったから 落ち込んでるんじゃないですか?」
D「違います!先生はなぜそんな風に人の気持ちを勝手に捏造するんですか!私がたい焼きだと言ってるでしょう?断じて、たい焼きです。間違いございません。」
S「わ、わかりましたよ。まぁね、失敗は誰にでもありますよ。そんなに自分を責めてはいけません。」
D「そうですか、そうですよね。失敗は成功のもとって言うくらいですからね。先生、今、そう言おうとしたでしょ?」
S「いえ、してません。」
D「・・・か~、先生も協調性ってもんがないねぇ。そんなことばっかり言ってると、どっかのクリニックの院長みたいにネットで叩かれるよ?」
S「何の話ですかあなた・・。じゃあね、これを薬局で出してもらって、 一週間後にまた来てください。」
D「ただいま~。」
O「おかえり・・どうだった?」
D「うん、俺はどうもうつ病らしいよ・・。うつ病ったって魚じゃねえぞ、いいか、ウツボと間違えんなよ。」
O「誰が間違えんのよ、そんなもの。」
D「う・・そうだよな、俺だって自分は哺乳類だってことぐらい知ってるよ。なんでも、モロッコから吹いてくる生暖かい風に当たると、こう、脳に影響が出るらしいんだよ。」
O「・・あんた、いつモロッコなんか行ったの。」
D「いや、行ってないよ、行ってないけど医者がそう言うんだからしょうがないだろう?で、薬があるから飲めってんだよ。それがおまえ、ややこしい名前の薬なんだよ。えーっと、ベ・・べ・・・・・・ベンジョンソンがドーピング違反でメダル剥奪されたオリンピックはいつのこと?」
O「何?」
D「いや、違う、べ・・べンジョ・・ベンジョは・・便所は安心して入りたい・・そうそう、だんだん近くなってきたぞ。ベンジョの安全確認?ベンジョの安全第一?」
O「・・だーかーら。もしも薬出されてもいきなり全部飲んじゃダメだって言ったでしょう?」
D「飲んでないよ、いや、えっとベン・・・」 O「それってもしかして、ベンゾジアゼピンじゃないの?」
D「ああ!そうそうそれそれ!お前病院に来てたの?」
O「いや、行ってやしないけどさ、聞いたことあるのよ。その名前。 確かね、『精神医療ダサイゾ』とかいう本にも出てた。読裏新聞の記者が書いてる本よ。」
D「本に?いい薬だって書いてあったのか?」
O「それがそうじゃなかったわよ。ちょっと待って、持ってくるから。実はさっきね、本屋に行って買ってきたのよ。まー、色んな本が出てて迷っちゃった。『精神科は今日もやったもん勝ち』とか、『大わらわ!精神医学』とかさ。隣に『医学非情論』とか『医者いらずのショック』って本もあって、そっちも面白そうだったけど。で、ほら、これ、ここ読んでご覧なさいよ。写真もある。」
D「えっ?ここか?えーっと何々?病院経営への影響?常用量依存を起こすことにより患者が通院を怠らないようになる。・・あーあ!なるほど!そういうことか!」
O「意味わかったの?」
D「いや、さっぱりわからねぇ。」
O「なによ、もう・・・つまりさ、依存ってことは、それがないと苦しくなったりするってことでしょう?その薬を飲んだら、だんだんやめられなくなるってことじゃないの?」
D「やめられなくなる薬?・・それじゃまるで、火薬みたいなもんじゃないか。」
O「火薬?」
D「いや、違った、座薬?じゃない、麻薬みたいなもんじゃないか。」
O「そうよ。だからそれ、飲まない方がいいんじゃないの?」
D「ってことは何か?あの医者は俺をずっと通わせるために、この薬を出したのか?」
O「その可能性は必ずしもないとは言い切れない場合も考えられるとされる。」
D「お前言葉がおかしいぞ。」
O「ごめん、精神医療関係のサイトばっかり見てたら、こんなふうになっちゃった。」
D「ずっと通わせるためにか・・・。つまりあの医者は・・・俺に惚れたのか・・・・・・照れるなぁ。」
O「そう、だから・・って、そうじゃなくて、いいお客さんってことよ。」
D「お客?・・・そうか、そういうことか!ちくしょう、騙されるところだった!なんか紙ないか。それ、書き写してもってってやる。 ・・・・・よし、書けた。あの医者めー!ちょっと行ってくる!」
D「おい!出てこい!売人!出てこい!おーい!ばいに・・。」
S「ちょっとあなた!やめてくださいよ、大きな声で。売人とはなんですか、人聞きの悪い。」
D「お?人聞きの悪いだと?それはなぁ、やってもいないことをやったと言われた時のセリフだろ?やってることをそのまま言って何が悪いこの売・・。」
S「わ、わかったからあなた、中に入ってくださいよ。何を証拠にそんな売人だなんて。」
D「かみさんが買った本に書いてあるんだよ。天下の読裏新聞の記者が書いてるんだぞ。便所のアンゼンピンがどういうシロモノかってことが。長年精神科医やってるんだから知ってて出したんだろう?」
S「・・・いや・・・私は知りませんよ。薬のことだったら、もうすぐ製薬会社のMRが来ますから、その人に聞いてください。」
D「な、なんだエムアールって。新種の昆虫か?」
S「いえ、製薬会社の営業の人ですよ。体育会出身ですから強いですよ。」
D「・・あっ、そうやって逃げる気だな!そうはいかないぞ。デタラメな薬を出しやがって。」
S「いえ、デタラメじゃないですよ。ちゃんと効きますから。」
D「じゃあその証拠、見せてみろ。」
S「私が自分で飲んでますから。」
D「う・・せ、先生が?・・・ホントに?」
S「ホントに。」
D「マジで?」
S「マジで。」
D「ナンで?」
S「・・・飲まなきゃね・・やってられないんですよ!」
D「先生・・・・・ちょっと・・ダメだよ、そんなことしたらぁ。悪いことは言わない、手を出しちゃいけないよ。先生も辛いことがあるんだろうけどさぁ。な。これを機会に先生も薬、やめよう。一週間に一度くらい、俺がここに来て先生の悩み聞いてやるからさ。なんだったら、たい焼き半分分けてやってもいい。」
S「いや、いりませんよ。」
D「背ビレまでアンコが入ってるんだよ?」
S「いりませんて。あ、来たきた、彼がMRです。」
M「どーも先生!持ってきましたよ!我が社の新商品!ハッピー、ハッピー、酒ならホッピーこれが我が社のハッピードラッグ!」
D「あっ!お前が新種の昆虫か!」
M「な、なんですか、あなたは・・先生この人、新しい患者さんですか? じゃ、さっそく新薬勧めてくださいよ。これこれ。ベンゾジアゼピン、デパナックスでーす!」
D「・・出鼻をくじかれるような名前だなぁ。またベンジョ作ったのか。おい、今からな、その薬の正体を明かしてやるから驚くなよ?ここに書いてあるんだから、いいか?読むぞ?・・・・ジャガイモ5個198円・・・」
M「え?」
D「なんだこりゃ、どこのレシートだよ・・・あ、裏だうらうらと・・・。待ってろ・・・これだ。常用量依存を起こすことにより患者が通院を怠らないようになる・・・どうだ!」
M「ずいぶん難しいこと調べましたねぇ。最近こういう人が増えてやりにくくってしょうがない。あのですねー、何か文句があるんでしたら私ではなく『社』の方に言ってくださいよ。」
D「シャ?シャって何だよ。シャチホコか?シャベルかシャーベットかシャーマンか!」
M「いや、会社のほうに直接言ってくださいよ。あ、言っときますけど、うちの社長、外国人ですから。」
D「なにを?外国人だ?それがどうした。外国人って聞いたらこっちがビビるとでも思ったか。外国人から見れば俺だって外国人だ。宇宙人から見れば地球人だって宇宙人だろう!」
M「・・先生、この人、何しにここに来たんですか?この人には、アッパー系じゃなくてダウナー系の薬がいいですね。」
D「なんだ?ボクシング用語が業界の隠語なのか?どんな会社だよ。」
M「えー、どんな会社かと聞かれましたんで申し上げますと我が社はですね、禁煙補助薬のパンチックスですとか・・。」
D「やっぱり殴られそうだな。」
M「あ、副作用についてはですね、こちらの添付文書にちゃんとたくさん思いっきり書いてありますんで。某放送局の番組、『ためしにヤッテミ!』で絶賛された自信作です。他には添加物を少々変えて作りました抗精神病薬のコンビ、ヤブレキサ・カブレキサがよく売れておりまして、痛みにはサタンバレタがおすすめですね。その昔はへロリンとかヨタリンとか色々・・・」
D「わかったよ!もういいよ!・・よくまぁペラペラしゃべれるもんだ。 そんなに色々売ってるのか。さぞかし、儲かってるんだろうなぁ。」
M「そりゃもう、社長は外国人ですから。どうです?難しいことおっしゃらずに試してみてくださいよ。飲めば良さがわかりますから。」
D「良さがわかる?人の気も知らないで、簡単にわかったようなこと言うもんじゃないよ。」
M「わかってますよ。」
D「どうして。」
M「私も飲んでますから。」
D「う・・こ・・・昆虫も?・・・ホントに?」
M「ホントに。」
D「マジで?」
M「マジで。」
D「ナンで?」
M「飲まなきゃやってられませんから。ま、トンプク程度に。」
D「・・・誰がポンポコたぬきだよ。」
M「いや、ポンポコじゃなくて頓服ですよ。あ、このこと、社のほうには言わないでくださいよ?」
D「・・なんでだよ。」
M「バレたら会社、首になっちゃいますから。」
D「首になる?そりゃまたどうして。」
M「我が社の薬は飲んだらいけないというのが・・・社長命令です。」